自動車運転代行業認定申請の概要

自動車運転代行業とは、飲酒などにより車を運転できないドライバーに代わりドライバーの車を運転するものです。自動車運転代行業を営むためには、特に欠格事由や遵守事項をよく確認し申請に備えましょう。

 

自動車運転代行業

自動車運転代行業は以下いずれにも該当するものをいいます。

 

  • 主として、夜間において酒気を帯びた状態にある者に代わり、自動車を運転する役務(代行運転)を提供するものであること。
  • 酔客その他の当該役務の提供を受ける者(顧客)を乗車させるものであること。
  • 常態として、当該自動車に当該営業の用に供する自動車が随伴するものであること。

 

具体的な業務形態は以下のとおりです。

  1. 利用者から依頼を受ける
  2. 2名1組となって行動し、1名は利用者の自動車を運転・もう1名は随伴車両を運転する
  3. 利用者を送り届けたのち自動車運転代行業者は随伴車両で営業所に戻る

 

道路運送法違反となるケース

利用者を迎えに行く際、随伴車両で向かうことになりますが、自動車運転代行業として業務を行っていいのは利用者自身の車の運転に限ります

 

随伴車両に利用者を載せた場合、無許可のタクシー業行為として見なされます(タクシーは旅客自動車運送事業)。また、利用者の車に乗るのが代行業者のみの場合、「車のみを運送している」ことになり、陸送業を行っていると判断されます。いずれも自動車運転代行業には該当しませんので、営業の際は注意しましょう。

 

あくまでも「利用者が乗る車の運転のみを代行する」ことが役務なのです。

 

安全運転管理者の選任

運転代行業として認定を受けるためには、安全運転管理者の選任が必要です。安全運転管理者の選任条件は地域により異なりますので、あらかじめよく確認するようにしましょう。北海道における安全運転管理者の定めは「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律等の解釈及び運用等について」という通達に次の通り記載されています。

 

  • 5台以上の随伴用車両を有している事業所または定員11人以上の車両を1台以上有している事業所について、安全運転管理者1人を選任
  • 副安全運転管理者については、10台以上19台以下の随伴用車両を有している場合は1人、以降、20台以上10台を超えるごとに1人を加算

 

安全運転管理者の資格要件

安全運転管理者および副安全運転管理者は、道路交通法に定められた要件を満たしていなければなりません。

 

安全運転管理者の要件

  • 20歳以上の者(副安全運転管理者が置かれている事業所は30歳以上)
  • 自動車の運転の管理に関し2年以上の実務経験を有する者
  • 公安委員会の解任命令により解任された者にあっては、解任の日から2年を経過していること
  • 過去2年以内に次の違反歴がない者
  1. ひき逃げ事故
  2. 酒酔い運転、酒気帯び運転、無免許運転、麻薬等運転
  3. 酒酔い運転、酒気帯び運転、飲酒運転に関し車両等を提供する行為、飲酒運転に関し酒類を提供する行為、飲酒運転に関し依頼・要求して同乗する行為
  4. 無免許運転にかかわる車両の提供・無免許運転車両への同乗
  5. 下命・容認(酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許・無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、車両の放置行為)
  6. 自動車使用制限命令違反
  7. 妨害運転(著しい交通の危険、交通の危険のおそれ)

 

副安全運転管理者の要件

  • 20歳以上の者(副安全運転管理者が置かれている事業所は30歳以上)
  • 自動車の運転の管理に関し1年以上実務の経験を有する者又は自動車の運転の経験の期間が3年以上の者
  • 公安委員会の解任命令により解任された者にあっては、解任の日から2年を経過していること
  • 過去2年以内に次の違反歴がない者
  1. ひき逃げ事故
  2. 酒酔い運転、酒気帯び運転、無免許運転、麻薬等運転
  3. 酒酔い運転、酒気帯び運転、飲酒運転に関し車両等を提供する行為、飲酒運転に関し酒類を提供する行為、飲酒運転に関し依頼・要求して同乗する行為
  4. 無免許運転にかかわる車両の提供・無免許運転車両への同乗
  5. 下命・容認(酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許・無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、車両の放置行為)
  6. 自動車使用制限命令違反
  7. 妨害運転(著しい交通の危険、交通の危険のおそれ)

 

※北海道警察ホームページより抜粋

 

第二種免許の義務

利用者の車を運転する者は第二種免許を保有していなければなりません。ただし、随伴用車両の運転者については第一種免許を有していれば良いことになっています。

 

損害賠償措置

自動車運転代行業を営もうとする者は、運転代行中に事故を発生させた場合に備えて損害賠償保険に加入していることが求められます。北海道警察ホームページでは、保険金額について以下のように明記しています。

 

  • 対人保険:8,000万円以上
  • 対物保険:200万円
  • 代行運転車両保険:200万円以上

 

欠格事由

自動車運転代行業を営もうとするものは、下記の欠格事由に該当しないことについて、都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません

 

  • 破産者で復権を得ないもの
  • 禁錮以上の刑に処せられ、又は自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の規定により、若しくは道路運送法道路交通法の規定による命令に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり 、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
  • 最近二年間に自動車運転代行業法の規定に基づく公安委員会による営業停止命令や営業廃止命令に違反する行為をした者
  • 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(ただし、その者が自動車運転代行業者の相続人であって、その法定代理人が前各号のいずれにも該当しない場合を除く。)
  • 代行運転自動車の運行により生じた利用者その他の者の生命、身体又は財産の損害を賠償するための措置が国土交通省令で定める基準に適合すると認められないことについて相当な理由がある者
  • 安全運転管理者、副安全運転管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
  • 法人でその役員のうちに上記①から④までのいずれかに該当する者があるもの

 

遵守事項

自動車運転代行業者には、交通の安全確保や利用者の保護のため、以下のことが義務付けられています

 

  • 料金の掲示:営業の開始前に、利用者から収受する料金を定め、これをその営業所において利用者に見やすいように掲示しなければならない。
  • 損害賠償を講ずべき義務:代行運転自動車の運行により生じた利用者などの生命、身体又は財産の損害を賠償するための措置を講じなければならない。
  • 自動車運転代行業者約款:自動車運転代行業の約款(料金の収受や自動車運転代行業者の責任に関する約款)を定め、営業所に掲示しなければならない。
  • 運転代行業務の従事制限:欠格事由に該当する者を運転代行業務(代行運転自動車又は随伴用自動車を運転する業務)に従事させてはならない。
  • 代行運転役務の提供の条件の説明:代行運転役務の提供の条件について利用者に説明し、その説明に従って代行運転役務を提供しなければならない。
  • 代行運転自動車標識・随伴用自動車の表示:運転代行業務中は、代行運転自動車及び随伴自動車に所定の表示をしなければならない。
  • 利用者の利益の保護に関する指導:従業員に対して利用者の利益の保護に関する事項について指導しなければならない。
  • 安全運転管理者等を選任しなければならない
  • 代行運転普通自動車の運転者に対する第二種免許の義務付け:顧客の車両(代行運転普通自動車)を運転するものは、第二種免許(普通二種免許若しくは大型二種免許)を取得していなければならない。随伴自動車については、第一種免許でよい。

 

※北海道警察ホームページより抜粋・参考

 

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