診療所開設届出申請の概要

診療所」とは、病院と同様に、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のために医業又は歯科医業を行う場所で、患者の収容施設について、無床であるか19床以下の収容施設をもつもの(入院施設を持つ場合は有床診療所)をいいます。

 

診療所を開設しようとするとき

診療所を開設しようとするときには、事前に開設日・図面等について相談し、無床診療所の場合、開設後10日以内に開設届を提出し、有床診療所の場合は、開設届と同時に、検査申請をする必要があります。構造設備の使用にあたり保健所の検査及び許可証の交付を受けた後でなければ使用できません。

 

※医師、歯科医師でない者が診療所を開設しようとするときには、事前に保健所長の許可を受けなければなりません。

 

医療法に基づく診療所などの管理規制

診療所などの医療機関について、医療法に基づき管理・規制に関する定めが設けられています。

 

管理者について

診療所・病院は臨床研修等修了医師に、歯科については臨床研修等修了歯科医師に、助産所は助産師に管理させる必要があります。開設者が管理者になることができる場合は、開設者が自ら診療所や病院などの管理をしなければなりません。ただし、都道府県知事による許可を得た場合は、他の者に管理させることが可能です。

 

業務報告について

地域医療支援病院の開設者は都道府県知事に対して、特定機能病院と臨床研究中核病院の開設者は厚生労働大臣に対して、それぞれ業務に関する報告書を提出する必要があります。なお、当該報告書は公表されることになります。

 

有床診療所の管理義務について

有床診療所の管理者は、入院患者の容態が急変した場合に備え、速やかに適切な治療を提供できるよう体制を整えるとともに、他病院または診療所との連携を確保しておくことが求められます

 

掲示すべき事柄について

病院または診療所の管理者は、次の事柄を施設内の見やすい場所に掲示しなければなりません。

  • 管理者の氏名
  • 医師の氏名
  • 医師の診療日および診療時間
  • ほか厚生労働省令が定める事柄

 

従業者の監督について

病院・診療所・助産所の管理者は、当該医療施設に勤務する医師や薬剤師、その他従業者を監督し、医療施設の管理・運営に関し必要な注意を行う必要があります。

 

エックス線装置の設置について

病院または診療所は、当該医療施設にエックス線装置を備えたとき、施設所在地の都道府県知事に届け出なければなりません

 

薬剤師の設置について

病院または診療所の開設者は、病院については都道府県条例、診療所については保健所が所在する市条例に基づき、専属の薬剤師を置かなければいけません。ただし、都道府県知事の許可を得ている場合を除きます。

 

助産所による嘱託について

助産所の開設者は、嘱託先の医師および病院・診療所を定めておく必要があります。

 

清潔と安全確保について

病院・診療所または助産所は、その清潔保持および構造設備の衛生・防火・保安上の安全性を確保しなければなりません。

 

構造設備について

病院・診療所または助産所の構造設備について、その換気・採光・照明・防湿・保安・避難および清潔など衛生上問題がないよう厚生労働省が定めを設けています

 

※医療法参照

 

医療広告ガイドラインの確認

医療は、人の生命や身体に関わるサービスであり、また極めて専門性が高い分野であることから、不当な広告があたえる影響は極めて大きいとされています。したがって、医療法では、医療を受ける者が正しく判断できるような適切な情報についてはその広告を認めているのです。

 

禁止される広告について

次のような内容を広告に載せることは、患者などに対し誤った認識を与えかねず、不適切な医療を受けるおそれがあり禁止されています

 

  • 比較優良広告
  • 誇大広告
  • 公序良俗に反する内容の広告
  • 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
  • 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告

 

比較優良広告および誇大広告

比較優良広告および誇大広告の主な例として、次のような記載を挙げることができます。これらの表現は患者などに誤解を与える恐れがあるため、広告に使用してはいけません。ガイドラインでは次のように述べられています。

 

法第6条の5第2項第1号に規定する「他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと」とは、特定又は不特定の他の医療機関(複数の場合を含む。)と自らを比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの病院等が他の医療機関よりも優良である旨を広告することを意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。

※医療広告ガイドラインより抜粋

 

具体的には、次のような文言や表現が比較優良広告・誇大広告に該当しますので注意しましょう。

 

  • 「最先端医療」
  • 「著名人も受けている治療」
  • 「日本で一番の医療」
  • 「当該分野の治療において地域トップクラス」など

 

公序良俗に反する内容の広告

虚偽の広告は公序良俗に反するものとして、やはり禁じられています。患者などに著しい誤解を与え適切な受診機会を得られなかったり適切な医療を受けられなかったりするおそれがあるためです。

 

具体的には、次のような文言や表現が虚偽の広告(公序良俗に反する広告)に該当します。

 

  • 「絶対に安全な手術」※絶対はあり得ないため
  • 「1日で治療が終了」※通院の可能性があるため
  • 「顧客満足度○%」※根拠や調査方法の提示がない場合 など

 

患者の主観に基づく体験談

医療に関する患者あるいは家族などの個人的な体験談は、広告に載せることができません。体験談はあくまでも個々の患者などによる感想であり、誤認に繋がるおそれがあるからです。

 

なお、個人運営のウェブサイトやSNSの個人ページ、口コミサイトなどにおいて患者自身がその体験を投稿することは広告に該当しません。

 

治療前後の写真など

治療の結果は個々の患者の状態により変わるため、いわゆる「ビフォーアフター」の写真などは広告に載せてはいけません。たとえば術前・術後の写真やイラストのみを掲載し十分な説明を行わない場合もこれに該当します。

 

ただし、以下について問題がない場合は、「広告として認められない場合」には当たらないとしています。

 

また、術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を付した場合についてはこれに当たらないものであること

さらに、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと

※医療広告ガイドラインより抜粋

 

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