公益財団法人の役割と活動内容

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づき、行政庁の認定を受けた一般財団法人のことを公益財団法人といいます。ここでは、公益財団法人の役割や活動内容について説明していきます

 

公益財団法人の認定

公益財団法人とは、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づく法人で、一般財団法人が行政庁の認定を受けたものです。

 

公益性の高い活動を行う一般財団法人が行政庁に対して公益認定を申請すると、公益認定等委員会などにより審議され、認定にいたる流れを辿ります。札幌を始め北海道各都市に事業所を持つ一般財団法人の申請先は北海道になります。

 

北海道が所管行政庁となる法人は、北海道にのみ事務所を設置する法人または北海道内のみで公益目的事業を実施することを定款で定める法人です。

※北海道ホームページより抜粋

 

公益財団法人が果たす役割

一般財団法人が公益性の高い活動を行っていると認められるためには、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の別表(第二条関係)に記載された、23種類の事業に該当していなければなりません。

 

23種類の事業には、学術振興や文化活動、障害者や高齢者への支援活動などが含まれますが、いずれも高い専門性を活かした社会貢献活動である点で共通しています。

 

公益認定のメリット

公益認定を得ることで、一般財団法人は公益財団法人に変わります。法に定められたさまざまな条件をクリアして初めて公益財団法人になることができるため、公益法人であること自体が信用の証として受け止められる傾向にあるでしょう。一般社団法人と比べて信用性が上がれば、法人の活動推進にも良い影響を与えることが考えられます。

 

また、公益法人になることで税制上の優遇措置を受けることができます。

 

(税制上の措置)

第五十八条 公益法人が行う公益目的事業に係る活動が果たす役割の重要性にかんがみ、当該活動を促進しつつ適正な課税の確保を図るため、公益法人並びにこれに対する寄附を行う個人及び法人に関する所得課税に関し、所得税、法人税及び相続税並びに地方税の課税についての必要な措置その他所要の税制上の措置を講ずるものとする。

e-Gov「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」より抜粋

 

優遇措置は、寄付に関する税制(寄付税制)と事業に関する税制(法人課税)の2種類に分けることができます。

 

寄付税制に関して、公益法人に寄付を行った個人には所得税・住民税・相続税の控除が、法人には法人税の控除が適用されます。法人課税は、公益事業を行う公益法人に対し、その法人税・源泉所得税に控除が適用されるものです。

 

公益財団法人の活動内容

先に述べたとおり、公益法人とは、公益財団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の別表に記載された23の公益事業を行うものとされています。また、当該事業を行うことを基本としたうえで、同法第5条(公益認定の基準)に記載された条件も満たしている必要があるのです。

 

認定基準の一部として、以下を挙げることができます。

 

  • 法人関係者に対して特別の利益を与えないこと
  • 投機的取引や高利の融資など公益法人の社会的信用を維持するに相応しくない行為を行わないこと
  • 収入が支出を超えないこと
  • 理事・監事について、配偶者又は三親等内の親族の関係性にあるものが3分の1を超えないこと など

 

公益財団法人の収入

公益財団法人は公益法人としての税制優遇を受けますが、一方で事業収入については厳しく制限されています。事業収益が法人として必要な経費分を超えないことが求められているため、どのようにして財源を確保するかは大きな課題の1つになっているのです。

 

この問題点を克服するためには、寄付金収入や会費収入が欠かせません。特に、公益財団法人の活動に賛同してくれる人からの寄付金収入は、法人にとっての重要な収入源だといえます。

 

内閣府公益認定等委員会事務局が公開している資料では、令和元年度に事業報告を行った公益法人全体の寄付金収入は3,769億円にも上ることがわかります。公益財団法人に限ったとしても同様の状況にあることが推測されるでしょう。公益法人に関していえば、事業による収入はあくまでも寄付金収入や会費収入を補う位置付けにあると考えた方が適切かもしれません。

 

まとめ

一般財団法人が公益認定を受けるためには厳しい基準をクリアする必要があります。また、公益法人となることで事業収入にも制限を受けるため、活動状況と収支状況を照らし合わせながら適切な形を模索することが求められるでしょう。

 

当事務所では一般財団法人の設立業務に関するご相談・ご依頼を承っています。公益法人化を目指して一般財団法人の設立を検討されている場合もすでに一般財団法人として活動されている場合も、ぜひお気軽にお問い合わせください

 

▶記事一覧に戻る

ご相談はこちらから

メールでのご相談

メールでの相談や質問をご希望の方は、以下のフォームから送信ください。
※迷惑メール対策などによって、返信させていただくメールが不達のケースが増えています。お急ぎの方は、お電話にてご連絡ください。

    ご希望の連絡先 (必須)
    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ページトップへ戻る