ひとりだけの合同会社は設立可能?メリット・デメリットも解説

個人事業主として活動していた人が法人化を検討する場合、ひとつの選択肢として合同会社の設立が視野に入ってきます。しかし、自分ひとりだけで会社を設立することはできるのでしょうか。ここでは、ひとりで合同会社を立ち上げられるのか、また、ひとりで会社を立ち上げるメリット・デメリットはあるのか、について説明していきます

 

自分ひとりだけでの合同会社の設立は可能

一般的に「会社」というと、複数の人数が社長のもとに集い組織を形成するもののように思われます。しかし実際には、自分ひとりだけで合同会社を設立することも可能なのです。

 

合同会社の登記内容

合同会社設立時には登記を行いますが、その内容について確認しておきましょう。必要書類を揃え、会社の本店所在地を管轄する法務局に対し申請します。

 

【必要書類】

  • 合同会社設立登記申請書
  • 定款(紙の定款か電子定款)
  • 本店所在地決定書
  • 代表社員就任承諾書
  • 登記用紙と同一の用紙
  • 印鑑届書
  • 社員の印鑑登録証明書
  • 資本金の払込証明書
  • 収入印紙

 

ひとりで合同会社を立ち上げる場合は、必要書類の準備や法務局への登記申請をひとりで行えばいいことになります。

 

ひとりで合同会社を経営するメリットとデメリット

会社はひとりでの設立できますので、たとえば事業を営む個人事業主から法人に移行することも可能です。ただし、ひとりで合同会社を経営する際、メリットに加えてデメリットも受け入れなければなりません

 

ひとりで合同会社を設立するメリット

ひとりであっても合同会社という法人格を持てるので、個人事業主だったときには得られなかったメリットを享受できるようになります

 

社会的な信用度が高くなる

たとえひとりで設立したとしても、会社として事業を営んでいくことが可能です。会社は個人よりも信用を得やすいため、取引先の開拓や融資の申込みなどの場面において有利に働きます。法人化することで安定感や継続性など信用につながる要素が強化されるといってもいいでしょう。

 

社会保険に加入できる

個人事業主の場合は国民健康保険と国民年金しか加入の選択肢はありませんでしたが、会社を設立することにより社会保険への加入が求められるようになります

 

第三条 この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。

※健康保険法第三条より抜粋

 

第九条 適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

※厚生年金保険法第9条より抜粋

 

上記法律に基づけば、「適用事業所に使用される者」は社会保険の被保険者となる旨が記載されており、会社の代表者も「使用される者」に含まれると考えられているようです。したがって、ひとり合同会社の代表社員であっても社会保険への加入義務が発生することになります。

 

ひとりで合同会社を設立するデメリット

ひとりで合同会社を設立した場合に得られるメリットについては既出のとおりですが、実はデメリットも存在します

 

会社としての全業務をひとりで行わなければならない

会社業務は、新規顧客開拓や既存顧客との取引維持だけではなく、経理や事務、雑務にいたるまで広範囲にわたります。ひとりで合同会社を設立するということは、会社のさまざまな業務を一手に引き受けなければならないということでもあり、その負担が大きくのしかかることが考えられます。

 

社員がいれば業務を分担して効率的に事業を進めていくことができるので、複数人での合同会社設立や速やかな社員雇用なども視野に入れておくといいかもしれません

 

設立時の必要経費が全額自己負担になる

合同会社の設立に関わる法定費用は、電子定款を採用すれば登録免許税だけ用意すればよく、その額は「6万円か資本金の金額×0.7%のどちらか多い方」になります。仮に必要な法定費用が6万円だとしても、ひとりで合同会社を設立する場合は全額自己負担になる点に注意しましょう。

 

さらに、会社として事業を行うための賃貸契約や会社の実印作成、印鑑証明書の取得、定款作成などへの出費があることも踏まえると、決して少なくない負担になることが考えられます。

 

まとめ

ひとりで合同会社を設立する場合、メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。自力で合同会社を設立することもできますが、法的な制限やメリット・デメリットの範囲など、一度専門家の意見を聞いて会社設立や経営に活かすことも大切です

 

当事務所では無料相談を行っていますので、ひとりでの合同会社設立にあたり不安な面などがあれば、ぜひ積極的にご利用ください。経験豊富な専門職と話すことで不安のたねを解消していくことができるはずです。ご希望により合同会社設立に関するご依頼をご検討の場合は、お見積りを作成してお渡ししていますので、まずはお問い合わせをお待ちしております。

 

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