個人事業主を含む小規模事業者は細々と経営を続けていることも多く、社会情勢や経済状況などの影響を受けやすいといえます。限られた資金では不足することも出てくるため、小規模事業者持続化補助金の申請を行う人も出てくるでしょう。ここでは、小規模事業者持続化補助金の入金時期について説明していきます。
補助金入金の基本的スケジュール
結論からいえば小規模事業者持続化補助金は、実際に対象となる事業を行い、そこでかかった経費を整理し、経済産業省や自治体に対して請求書を送付してから入金されることになります。申請後すぐに振り込まれるわけではないので、その点に注意しましょう。通常、以下の流れを経て入金にいたることになります。
- 申請書類の提出
- 対象事業と申請書類に関する審査
- 審査結果の判明
- 対象事業の実施(終了まで)
- 対象事業の終了後に報告書提出
- 報告書の審査
- 審査結果の判明
- 補助金の入金
大まかではありますが以上のような流れを辿ります。申請した事業者としては、審査にどれくらいの時間がかかるか気になるところでしょう。おおよそ次に挙げる期間がかかるとされています。
- 初回審査について:申込締切日から約2ヵ月
- 対象事業の実施期間:審査結果が判明してから約数ヵ月
- 対象事業終了後審査:対象事業を終了し報告書を提出してから約1ヵ月
- 補助金の入金まで:請求書提出から約2ヵ月
この流れを見ると、申請から実際に入金されるまで少なくとも約1年はかかるであろうことが予想されます。
入金に時間がかかる理由
入金までのスケジュールを見てみると、時間がかかることはおおよそ理解できそうです。しかし、入金までに時間がかかるのにはその他の理由も影響しているのです。たとえば、次に挙げるような状況が起こると、スケジュール通りに審査が進まず入金が遅くなる可能性が出てきます。
申請が殺到しているから
審査から入金までが遅くなる原因のひとつに、申請が殺到していて事務処理が追い付いていないという状況が想定されます。同じ小規模事業者持続化補助金でも募集回により申請数は変わり、数が多ければ審査にかかる時間を要することになり、逆に数が少なければスムーズに処理が進むこととなるでしょう。
審査自体に時間を要しているから
小規模事業者持続化補助金の審査は、申請時と対象事業終了時の2回に分けて行われます。申請時の審査については申込件数の多少に左右されると述べましたが、事業終了時の審査はより丁寧に内容確認されるため、初回以上に時間がかかることもあり得ます。事業の終了に伴い事業者は報告書を提出することになり、事務局ではその内容についておかしなところがないか、適切な経費が計上されているかなどを人力で確認していくのです。
もし、提出書類や報告書に記載されている事柄がわかりにくかったり要点を掴みづらかったりした場合は、その分審査結果を出すまでに時間を要することになります。審査結果が出るまでに時間がかかれば、当然ながら入金タイミングは遅れると予想できるでしょう。ただし、これはあくまでも考え得る理由のひとつであり、実際には申請ごとに異なる事情から審査が長引くケースの方が多いかもしれません。複合的な理由から審査や入金が遅くなることは珍しくないのです。
まとめ
小規模事業者持続化補助金の申請を行ったら、できるだけ早いタイミングでの入金を希望する事業者がほとんどであろうと想定されます。しかし、実際には、人の目で確認作業を行いながら審査を進めていくため、期待するよりも時間がかかってしまうのです。何より、実際に対象事業を終了してからでなければ補助金の額も決まりません。したがって、ある程度の自己資金を確保できているうちに申請手続きを行い、事業を遂行しながら結果を待つという流れになるのです。当然ながら、補助金が入金されるまでの間は自己資金から経費の立て替え払いを行うことになるので、あらかじめその点を考慮しながら申請計画を立てるようにしましょう。