帰化許可申請の概要

帰化とは、その国の国籍を有しない者からの国籍の取得を希望する旨の意思表示に対し、国家が許可を与えることによって,その国の国籍を与える制度のことをいいます。

 

日本では、帰化の許可は法務大臣の権限とされており、法務大臣が帰化を許可した場合には、官報にその旨が告示されます。帰化は、その告示の日から効力を生じます。

 

帰化許可を受けるには、本人(本人が15歳未満のときは父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き,書面によって申請することが必要です。その際には、帰化に必要な要件を備えていることを証する書類を添付します。また、帰化が許可された場合には、その者について戸籍を創設することになるので、申請者の身分関係を証する書類も併せて提出します。

 

要件

一般的に、次に挙げる条件をもって帰化の可否が判断されます。ただし、帰化許可は個々に認められるものであるため、以下条件をすべて満たしていたとしても必ず帰化が認められるとは限りませんので注意しましょう。

 

普通帰化

【住所条件】

帰化申請時点までに、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。正当な在留許可を有し適法に滞在していることが求められます。

 

【能力条件】

本人の年齢が18歳以上かつ本国法においても成人年齢に達していることが必要です。

 

【素行条件】

犯罪歴の有無や納税状況、社会に対する迷惑行為の有無などから判断し、本人の素行に問題がないことが求められます。

 

【生計条件】

生活に困窮せず自らの力で日本での暮らしを成立させることができなければいけません。同条件についての判断は生計を一つにする親族単位で行われますので、本人に収入がなくても配偶者や親族の資産又は技能により安定した生活を送ることができれば、条件を満たすこととなります。

 

【重国籍防止条件】

日本では重国籍を認めていませんので、帰化する場合は原則として本人が帰化によって本国の国籍を喪失することが必要です(無国籍である場合を含む)。ただし、本人の意思で本国の国籍を喪失できない場合には、同条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。

 

【憲法遵守条件】

日本の政府に対する暴力的破壊を企てたり、またそれを主張するような者、あるいは当該活動を行う団体を結成したり加入しているような者には帰化が認められません

 

  • 日常生活に支障が出ないレベルの日本語能力(会話及び読み書き)が必要です。
  • 令和4年(2022年)4月1日から、20歳以上」が「18歳以上」に変更されました

 

※法務省ホームページ参照

 

簡易帰化

日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。

 

第六条 次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの

二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの

三 引き続き十年以上日本に居所を有する者

 

第七条 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するものについても、同様とする。

 

第八条 次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの

二 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの

三 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの

四 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

※e-Gov「国籍法」より抜粋

 

帰化のメリットとデメリット

本国の国籍を放棄し日本国籍を得ることには、メリットとデメリットの両側面があることを理解しておきましょう。

 

帰化のメリット

日本に帰化することにより、次のようなメリットを得ることができます。

 

  • 在留資格について心配したり更新手続きを行ったりすることがない
  • 参政権を得ることができる
  • 配偶者と同一戸籍に入ることができる(配偶者が日本人の場合)
  • 極めて信用度が高いといわれる日本のパスポートを取得できる

 

帰化のデメリット

メリットの一方で、次のようなデメリットも受け入れなければなりません。

 

  • 日本は多重国籍を認めていないため本国の国籍を失う
  • 帰化後は日本人となるため本国に帰省する際にビザを取得しなければならない(国による)
  • 帰化が認められた後で本国の国籍に戻すことが難しい場合がある

 

帰化許可申請のサポートは当事務所行政書士へ

当事務所では上記手続きに関して、手続きの代行、書類作成、アドバイスを行っております。面倒で複雑な手続きは当事務所を是非ともご利用ください。

 

 

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