貸金業登録申請手続きの概要

貸金業の登録先は、営業所の所在地によって財務局長か都道府県知事のいずれかとなります。必要書類や申請の流れについてみていきましょう。

 

営業所と固定電話の確保

貸金業として登録するためには、営業所固定電話の確保が必要になります。

 

固定電話

携帯電話のみを使った営業はできず、固定電話を設置する必要があります。これは悪質業者との区別化を図る目的に基づいており、広告を出す際も記載して良いのは固定電話かフリーダイヤル(貸金業者登録簿に登録された電話番号であること)のみとなっています。

 

営業所

営業所となる物件を借りる場合は、申請時の添付書類に以下いずれかを加える必要があります。

  • 賃貸借契約書の写し(原本を提示)
  • 物件の使用承諾書(申請書の使用目的に貸金業である旨が記載されていない場合)

つまり、申請者が営む事業が貸金業であることについて賃貸物件のオーナーが了承していることが必要なのです。

 

社内規則の制定

貸金業者は適切な社内規則を定め、これにしたがい内部管理体制を整えることが求められます。

  • 社内規則について適宜見直しを行う
  • 役員および従業者など業務関係者に社内教育を行う
  • 社内規則の遵守を徹底する

 

なお、作成する社内規則は、以下の法令などを反映させたものにすることが必要です。

 

  • 「貸金業の業務運営に関する自主規制規則」
  • 「業務の適正な運営 に関する社内規則策定にあたっての細則」
  • 「苦情処理及び相談対応に関する規則」
  • 「同規則に関する細則」

※以上、日本貸金業協会の定め

 

  • 「貸金業者向けの総合的な監督指針」

※同指針の「Ⅱ貸金業者の監督に当たっての評価項目」参照

※金融庁指針

 

申請の流れ

営業所の所在地が1つの都道府県内である場合は都道府県知事へ、複数の都道府県にまたがる場合は財務局長への登録申請を行います。

 

必要書類作成

申請書および添付書類を作成・収集します。

 

書類提出

主たる営業所等の所在地を管轄する各都道府県の貸金業協会窓口へ申請書類を提出します。北海道の場合は日本貸金業協会北海道支部が窓口です。

 

審査・現地調査

提出された書類は審査を受けます。なお、監督官庁による現地調査が行われ、営業実態はどうか、他の法人と同居していないか、申請済みの電話番号に間違いがないかなどが確認されます。

 

ヒアリング

申請者(担当者)は監督官庁から業務の方法などについてヒアリングを受けます。

 

登録決定

審査・現地調査・ヒアリングを経て問題がないと判断されれば登録通知書が公布されます。登録後6ヶ月以内に営業を開始し、その間に貸金業務取扱主任者研修を受講しなければなりません。

 

営業開始

貸金業としての営業は、登録日の翌日から開始できます。ただし、あらかじめ「指定紛争解決機関(日本貸金業協会)」と手続き実施基本契約を結ぶ必要があり、また、個人向けに金銭貸付を行う場合は「指定信用情報機関」に加入しなければなりません。

(指定信用情報機関については後述)

 

必要書類

  1. 登録申請書
  2. 誓約書
  3. 登録申請者等の履歴書
  4. 株主又は社員の名簿・親会社の株主又は社員の名簿
  5. 登録申請者、重要な使用人及び貸金業務取扱主任者の氏名等を記載した書面
  6. 業務経歴書
  7. 貸金業の業務に関する社内規則
  8. 貸金業の業務に関する組織図
  9. 営業所又は事務所の所在地を証する書類
  10. 財産要件の確認書類
  11. 住民票(外国人の場合は「外国人登録原票記載事項証明書」)
  12. 身分証明書(本籍地市町村長発行)※外国人の場合不要
  13. 登記されていないことの証明書
  14. 定款又は寄附行為(財団法人、社団法人等)
  15. 商業登記簿(登記事項証明書)の謄本
  16. 研修受講者はその修了証の写し
  17. 代理店がある場合は、代理店契約書の写し

※貸金業法施行規則参照

 

指定信用情報機関への加入

貸金業者は、金銭を借りる人物の返済能力について詳細に把握し、限度を超えた(返済能力を超えた)貸付けが行われないようにする必要があります。そこで利用される仕組みが「指定信用情報機関制度」であり、これにより貸金業者は借りる人物の総借入残高を把握することができるのです。

 

信用情報とは

そもそも「信用情報」とは、ローンやクレジットカードなどの各種信用取引における契約内容・返済状況・利用残高などを明らかにするもので、貸金業者は借りる人物の信用情報に基づいて実際に金銭を貸付けるかどうかを判断することになります。

 

貸金業者の義務

貸金業者は、個人向け貸付けあるいは個人向け保証に関する契約を結ぶ際、国が指定する信用情報機関が保有するデータを参照し、申込者の返済能力を調査することが義務づけられています。また、実際に貸付に関する契約を結んだ場合は、当該人物の信用情報を遅滞なく指定信用情報機関に提供しなければなりません

 

【指定信用情報機関】

株式会社 シー・アイ・シー

株式会社 日本信用情報機構

 

事業報告書の提出(登録後)

貸金業者として登録を受けその業務を開始したら、事業年度が終了してから3ヶ月以内に、事業報告書を内閣総理大臣又は都道府県知事に提出する必要があります。

 

事業報告書に記載すべき項目は以下の通りです。

  • 事業年度末時点での役員および従業員の状況
  • 貸付状況
  • 資金調達状況
  • 財産状況 など

 

提出が必要な書類

  • 事業報告書(個人または法人向け書式)

 

※法人の場合:最終事業年度に係る次の書類

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本変動計算書

 

※個人事業者の場合:最終事業年度に係る次の書類

  • 財産に係る調書
  • 財産に係る調書記載項目証明書類

 

関係法令

貸金業法

貸金業法施行令

貸金業法施行規則

貸金業法施行細則 等

 

手続先および費用

【手続先】

日本貸金業協会北海道支部

北海道札幌市中央区南4条西6丁目8番地晴ばれビル10階

 

【手数料】

都道府県知事登録:150,000円

財務局長登録:150,000円

 

貸金業登録申請のサポートは当事務所行政書士へ

当事務所では上記手続きに関して、手続きの代行、書類作成、アドバイスを行っております。面倒で複雑な手続きは当事務所を是非ともご利用ください。

 

 

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