補助金の返還を求められる原因と罰則

補助金を受け取ったはいいが、その後何らかの理由により返還を命じられることがあります。補助金は原資が税金であることから、特に厳しく観察されるという理由もあるでしょう。ここでは、どのような場合に補助金の返還が必要になるのか説明していきます

 

補助金返還を求められる原因の例

補助金は、その名の通り対象となる事業にかかわる経費を補うための金銭です。したがって、本来の目的から外れた使い方をしたり不正が行われたりした場合は、返還を命じられることもあります。例えば、次に該当するようなケースは補助金の返還要請対象となることがあります。

 

補助金の使用使途が適切ではない場合

各補助金には、どのような目的のもとに給付する、という決まりごとがあるので、申請する事業者は適切な補助金を選択し申請する必要があります。しかし、実際に事業遂行するうえで、申請内容と異なっている活動を行っていたり対象外となる経費出費が多すぎたりするような場合は、補助金の本来目的を果たしていないと見なされる可能性が出てきます。このような場合、補助金適正化法第11条に基づき、受け取った補助金を返還するよう求められることもあるのです。

 

補助金で購入などした財産を転用した場合

補助金は使用使途が決まっていますから、本来目的から外れた使い方をしてはいけません。このことは、補助金で購入した財産にも通じます。例えば、購入した設備を他者に貸し付けたり売却したりする行為は処分の対象となるのです。補助金適正化法第22条で明文化された財産処分の制限に基づく対処であり、補助金の返還命令に繋がり得る行為なのです。

 

申請後に状況が急変した場合

申請時に提出していた事業計画が、何らかの理由により急に方向転換せざるを得ないこともあります。急激に経営状態が悪化し廃業したり事業そのものを譲渡する必要に迫られたり、さまざまなパターンがあり得るでしょう。このような場合も、補助金としてその目的を果たせないことになるので、補助金適正化法第10条に基づき返還の対象になる可能性が出てきます。

 

補助金返還に伴う罰則

補助金の返還対象になった場合、単に金銭を返還するだけではなく法に定められた罰則を受けることになります。ここでは、不正受給が発覚した場合・転用した場合・義務違反が発覚した場合について概要を整理してみましょう。

 

補助金の不正受給が発覚した場合

補助金の受給に関して何らかの不正が発覚した場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に科せられることになるので気を付けましょう。本来は申請要件を満たさないのに虚偽の申請を行った場合などがこれにあたります。

 

補助金の使用使途が本来目的から外れている場合

給付された補助金を本来目的ではないことに使った場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。また、以下に該当するいわゆる事業遂行義務違反に該当した場合は、3万円以下の罰金が科されますので注意しましょう。

  • 管轄官庁の事業停止命令に従わなかった場合
  • 事業終了時の報告を行わなかった場合
  • 虚偽の報告を行ったり立ち入り検査などの調査協力を拒んだ場合、嘘の報告を行ったりした場合

 

まとめ

多くの事業者は補助金の申請や金額にばかり目が行ってしまい、違反行為をしたときにどのようなペナルティを受けることになるかまで知らないケースが散見されます。繰り返しになりますが、補助金の原資は税金であることから、審査だけではなく資金の使用使途も厳しく観察されますし、適切な申請ではない・適切な使い方ではないと判断された場合は罰則を受けることもあるのです。申請前には公募要項をじっくり読み込み、どのようなメリットと罰則があるかを確認することがとても大切になってきます。

 

当事務所でも補助金に関するアドバイスと同時に違反した場合のペナルティについても助言しますので、不安な場合はまずご相談いただけることをお待ちしております。

ご相談はこちらから

メールでのご相談

メールでの相談や質問をご希望の方は、以下のフォームから送信ください。
※迷惑メール対策などによって、返信させていただくメールが不達のケースが増えています。お急ぎの方は、お電話にてご連絡ください。

    ご希望の連絡先 (必須)
    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ページトップへ戻る